公開:2018年11月21日 (アメリカ合衆国)
:2019年03月01日 (日本)
2019年 アカデミー賞3部門受賞
<あらすじ>
粗野で拳が取り柄の天然愛されキャラで陽気なイタリア人トニーと
プライドが高く教養があるエリート黒人天才ピアニストのドクターシャリー
二人の掛け合いが、お笑いコンビみたいで終始なごましいロード・バディー映画です。
旅程用に手渡された"GREEN BOOK"というネグロ専用の宿リストを元にツアー箇所を回ります。
はじめは凸凹で噛み合わない2人が、だんだんお互いの欠けているところを埋め合っていくところが見所です。
<歴史のおさらい>
前提として、アメリカの南北戦争は約100年も前の1861年〜1865年におきました。南部は黒人労働者の奴隷制度を使った農業が盛んでした。機械による工業化が進む北部は経済的に発展していきました。奴隷制度の拡大に反対するエイブラハムリンカーンが大統領に就任後、北部は黒人奴隷の解放を望んでいましたが、解放することで経済を揺るがされる恐れがある南部と対立が生まれました。南北戦争では北部が勝利し奴隷制度解放が宣言されましたが、その後も特に南部では差別や偏見が長く続きました。
<感想>
見る前は、題名がネグロ用の宿リストの本の名前というだけあって、もっと差別的なことが誇張されているのかと思っていましたが、それをきっかけに深まった絆の話でした。
トニーのドクに対するはじめの頃の偏見は説明不要ですが、ドクもはじめはトニーのことを内心バカにしていました。
ネグロであるがゆえに個人として認められていない自分のプライドが許せなかったのに、バカにされても気にしないトニーを見て考えも変わっていきました。
差別なんか気にしなきゃいいのにと思っていたトニーも手紙の書き方からいろいろ教えてもらって、ドクのことを尊敬するようになって
最後には、あからさまな差別に対してトニーが自分のことのようにドクをかばう姿には
お金よりも友情を選んだ絆が感じられました。
口には出さずともあからさまなネグロ差別を受けた南部ですが、NYCへ向かう途中のポリスは北部の人で安心しました。
現代社会でも身近である偏見や差別。経験したことある方も多いのではないでしょうか。
例えば誰かと比べて劣っていることを、周りから弄られたり、口では言われなくてもあからさまな対応をされたりすることはよくあることだと思います。
子供だから、大人だから、男だから、女だから、背が高いから、低いから、痩せているから、太っているから、金持ちだから、貧乏だから、頭がいいから、頭が悪いから、長子だから、末っ子だから、結婚してるから、独身だから、外国人だから、アジア人だから誰でもありえます。
でもこれって、差別と思ったら全てが差別になってしまうけど、
この映画を通して一人一人の個性を尊重しお互いを認め合うことが大切だと再認識しました。
<好きなシーン>
全シーン好きだけど、中でも好きなシーン
・はじめはドクに対し多少ニグロ偏見意識のあったトニーがドクのピアノを聞いた瞬間恋に落ちる音がした。
・落ちていたパワーストーンを拾ってドクに叱られて、返しに行くトニーがとにかく可愛い!
・ノースカロライナのパーティーで出された料理(唐辛子チーズサンドイッチ)が口に合わなくてメインをフライドチキンに変えてしまうトニー。
・トニーのあだ名"リップ"の由来である"the best bullshit artist" をお世辞だと思い込んで気にいているトニー。嘘つきではないと言っていたが最後に持っていないと言っていた銃を持っていたことをきっかけに、返したはずのパワーストーンを持っていたことがドクにバレるところがまた可愛い。嘘つきトニーではあったがそれでも信頼できる絆ができた。
トニー役のヴィゴ・モーテンセン氏は役作りで20kgも増量したそうです。
貫禄がありましたがもともと痩せていたのでしょうか。
イタリアなまりの話し方とイタリア語を話すシーンもありましたが
マルチリンガルで普通にイタリア語を話せることに驚きました。さすがハリウッドスターです。
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